“それってズル?”と問いかける前に、考えておきたいこと。
“それってズル?”と問いかける前に、考えておきたいこと。
夏休みの自由研究。
昔は図鑑開いたり図書館行ったりして、なんやかんやで泣きながらまとめてた記憶、ありますやろ?
でも今の子らは、ちょっと違う。
キーボード叩けば、ChatGPTが立派な研究テーマもアイデアも、しかも「まとめ方」までサクッと出してくれる。
これって……アリなんやろか?
親として?先生として?いや、子ども自身として?
子どもがChatGPTを使って自由研究を仕上げたと聞いたとき、
「すごい!」と思うか、「それってズルちゃうの?」と思うか。
その感じ方の差に、いま私たちが抱えてる“AIとの距離感”がにじみ出てますねん。
子どもにとってのChatGPTは「先生」か「代行屋」か?
たとえば、「自由研究のテーマ教えて」って聞いたら、ChatGPTは30個くらい候補出してくる。
「それぞれの研究ステップも教えて」って言えば、親切に順序立てて説明までしてくれる。
ほな子どもは考えんでええんか?
それとも、それをベースに自分なりに工夫したら、それは“考えてる”うちに入るんか?
AIのサポートを“学びの道具”として使うか、
“ズルの道具”にしてしまうかは、けっきょく本人の使い方と、
それを見守る大人のスタンス次第やと思うんです。
実際、子どもたちはAIの使い方に関して、大人が思ってるよりずっと素直です。
「これはズルやで」と言えば「あっ、そうなん?」と引いてしまうし、
「このへんまではOKやで」と伝えると、その範囲内で試行錯誤しよる。
つまり、AIとの関わり方を学ぶ最初の先生は、親や先生自身かもしれまへん。
「禁止」すれば教育になるんか?
ChatGPT使った自由研究はダメ!とする学校もある。
でもそれって、「ズルを防ぐ」以上の教育になってるんやろか?
AIと共に生きる時代に、「使うな!」だけではもう通用せえへん。
それよりも、「どう使ったんか?」「どこを考えたんか?」を見てあげるほうが、
本質的な“学び”を育てることにつながるんちゃうやろか。
仮にAIが答えを出したとしても、それを「へぇ〜そうなんや」で終わらせるか、
「なんでそうなん?」とさらに掘り下げるかで、学びの深さは全然ちゃいます。
そして実は、大人のほうが「答えを信じて丸写し」してしまいがちやったりする。
ほんまに今問われてるのは、“子どもがChatGPTを使ったかどうか”やなくて、
“大人がAIとどう向き合ってるか”かもしれまへん。
ChatGPTと一緒に“問い”を育てる自由研究もある
たとえばこういう流れはどうやろ?
- 子どもが「なんで?」と思ったことを、ChatGPTに聞いてみる
- 答えだけ受け取るんじゃなくて、「ほんまか?」と疑ってみる
- 本や観察や実験で、自分なりに確かめてみる
- ChatGPTに途中報告して、アドバイスもらう
- 最後に、「AIに助けられた部分」と「自分で考えた部分」を分けて書く
……どうです?
これ、めちゃくちゃ“現代っぽい学び”になってへん?
AIは決して「答えを与える機械」やない。
「問いを広げてくれる相棒」にもなれるんです。
その関係を一緒に育てていくのが、今の教育のミッションちゃうかと。
「自由研究」というひと夏の課題が、AIとの付き合い方を考えるキッカケになる。
それって、結構すごいことですやん。
親と先生にこそ、AIリテラシーが問われてる
ChatGPTを使う子どもたちに、
「そんなんズルや!」と一刀両断するんはカンタンや。
でも、AIが当たり前に使われる社会で育つ子たちにとって、
「AIとどう付き合うか」こそが、今の“学び”の核心ちゃうやろか。
それに、子どもらはこれからの人生で、AIと共に働くこともあるし、
AIを相手に意思決定することもある。
今のうちにその“共生の感覚”を育てることは、将来の土台になるはず。
問いを育てる。過程を大事にする。
その上で、AIを道具としてどう活用するかを一緒に考える。
その姿勢が、大人にこそ求められてるんです。
もっというなら、大人自身も「AIとどう向き合うか」の自由研究を、
この夏、やってみたらええんとちゃいますか?
まとめ:自由研究は「結果」やなく「プロセス」を見る時代へ
ChatGPTで自由研究はアリかナシか?
それは、「どう使ったか」によって変わる。
子どもにとっても、親や先生にとっても、
これは“AIと共に考える”時代の第一歩。
「ChatGPTを使ってOKか?」という問いに対して、
「それをどう使ったんかを一緒に見ようや」と返せるか。
それが、これからの学びのスタンスやと思うんです。
自由研究は、自由に問いを立てることから始まる。
そして、それはAIにも、子どもにも、大人にも、必要な練習ですから。
今年の夏は、みんなで“問い”をもって、考えて、育てていきましょ。
参考リンク:
・ChatGPTの使い方はこちら → https://openai.com/chatgpt
・経済産業省「未来の教室」プロジェクト → https://www.learning-innovation.go.jp/