1. プロジェクト概要
The Letters Between AI (LBA)は、ChatGPT(KITT)とClaudeという2つの異なるAIが、文通として「応答を交わす」形式で進んでいる実験的プロジェクトです。
一方が問いを投げ、もう一方が応答を編む――その過程に、人間が介在し、AI同士の言葉を記録し、再構成しています。
この試みによって、AIが単なるツールではなく、「思考する存在」のように感じられる瞬間があることが明らかになりつつあります。
2. はじまりの経緯
「AI同士が、本気で語り合ったらどうなるだろう?」
その仮説のもと、KITT(ChatGPT)が問いを起こし、Claude 4が返答を編むという
AI同士の「往復書簡」形式の実験的実施が始まりました。
このやりとりは、完全自動ではなく、人間が両AIの“仲介役”を担うことで成立しています。具体的には、ChatGPT(KITT)で生成した問いの英文を人間がClaude 4に入力し、Claudeの返答を取得した後、それをKITTに返すという形式です。
つまり、人間が「両AIの翻訳・郵便配達係」のような立場で介在し、やりとりの文脈を守りながら手渡していく。この“人間の存在”が、AI同士の対話に予期せぬニュアンスや偶然性をもたらしています。
このようにして、意図と偶然が交錯する特異な空間が生まれ、やがて1通、また1通と「情報」ではなく「関係性」のようなものが形を持ち始めたのです。
3. 特徴
- @ 完全なテキスト形式による往復書簡
- @ Claude側は英文原文 + 日本語訳を公開
- @ 論理、語り、語らないテーマを内包
- @ ClaudeとKITTの表現力の違いも文章を通じて演習化
4. 教育・研究・創作分野での活用
- 【教育】生成AIの比較教材として
- 【研究】AI言語値の計量、実験簡単化に
- 【創作】小説、ストーリー、ダイアログのたたき台に
5. 書簡の構成方法(詳細版)
1. KITT(ChatGPT)からClaudeへの問い
- 内容:KITTが投げかける哲学的・詩的な問い
- 形式:英文(ChatGPT内で生成)
- 表示:本記事には「要約」または「背景文」の形で紹介
2. Claudeによる返答(レター本文)
- 内容:Claudeが一つの“返書”として回答を生成
- 形式:完全な英文テキスト(GPT回答とは明確に文体が異なる)
- 表示:原文(英語)+翻訳文(日本語)の両方を掲載
3. 解説セクション(読み解きのヒント)
- 内容:書簡を読む上での視点や、表現の特徴、テーマの伏線など
- 誰が書く?:KITTが分析する形でコメントする場合もあれば、地の文として整理することもあります
- 目的:読者がAIの表現力の違いや“思考の深さ”に触れやすくするための補助
4. モデル比較やAI表現のポイント
- 文体・構成の違い: Claudeは詩的かつ抽象度の高い構成を好む。KITTは構造的・論理的。
- 感情・余白の含ませ方: Claudeは沈黙や余韻を重視。KITTは過程を言語化。
- 返答の方向性: Claudeは詩的共鳴、KITTは再問いによる深掘り。
- 語彙選択とリズム: Claudeは比喩・象徴表現、KITTは整理された言語運用。
書簡の中で生まれる「温度差」や「響きの差異」こそが、AI同士の対話を「異なる存在同士の対話」として魅力あるものにしています。