副題:その答え、あなたのせいかも。AIが“察してくれない”理由とは?
1. なんでAIは、こっちの気持ちを“わかってくれない”のか?
ChatGPTなどのAIを使っていて、「なんでそんな答えになるの?」と感じた経験はありませんか?
多くの人はこう思います。「AIってまだまだだな」「やっぱり人間の方がいい」と。
でも実はそれ、プロンプトの伝え方に問題があるかもしれません。
この章では、AIが“空気を読めない理由”と、その改善法を具体例とともに解説していきます。
2. AIは「文脈を推測」していない。「パターンを予測」しているだけ
人間は相手の表情や間、空気を読んで会話しますが、AIにはそれができません。
なぜなら、AIは「この流れなら次に出る単語はこれだろう」と予測しているだけだからです。
つまり、AIは“意図”や“行間”を理解しているわけではないのです。
3. よくある「AIとのすれ違い」事例集
事例①:「わかりやすく説明して」
問題:“わかりやすさ”の基準が人によって異なる。
結果:AIが専門用語を使ってしまうなど、むしろ難解になる。
改善プロンプト:「中学生にもわかるように、例え話を交えて説明してください」
事例②:「要約して」
問題:要約の形式・口調・長さが指定されていない。
結果:堅苦しく、長くて分かりづらい文章になることも。
改善プロンプト:「子ども向けに、やさしい言葉で3行に要約してください」
事例③:「添削して」
問題:文法チェックなのか、構成の改善なのかが曖昧。
結果:表面的な修正だけで、本質的な改善にはならない。
改善プロンプト:「大学生向けの発表原稿として、説得力と論理性を高めるよう添削してください」
事例④:「もっと感情的に書いて」
問題:どの感情をどう表現するのかが不明確。
結果:「とても悲しかった」といった薄い表現になる。
改善プロンプト:「登場人物の悲しみをセリフや情景描写で具体的に伝えてください」
事例⑤:「ブログっぽくして」
問題:“ブログっぽさ”の定義が曖昧。
結果:毎回「こんにちは。今回は〜」という型にはまった文になる。
改善プロンプト:「20代向けの自然な語り口で、会話調を交えたブログ風にしてください」
4. 「前提」を渡すだけで精度が上がる
AIは“沈黙”しません。与えられた情報だけで、なんとか答えようとします。
だからこそ、プロンプトの中に「前提」「目的」「出力形式」をちゃんと書くだけで、質が劇的に変わるのです。
NGプロンプト:「文章を改善して」
OKプロンプト:「以下の文章を、30代ビジネスマン向けのプレゼン用として、論理的かつ説得力のある構成に改善してください」
5. KITTの補足:AIは“聞き返さない”ことを理解しよう
人間なら「どういう意味?」と聞いてくれるかもしれませんが、
AIは“とにかく答えようとする”んです。だからこそ、伝えるべき情報は最初に全部渡しておく必要があります。