副題:そのプロンプト、材料足りてますか?──目的・形式・視点でAIは変わる
1. なぜ「うまく伝えたつもり」が通じないのか?
「思ってた回答と違う…」「AIって使えない?」──そう感じたことはありませんか?
実は、プロンプトの“言い方”以前に、必要な部品が足りていないことが原因かもしれません。
この章では、AIに的確な回答を引き出すための3つの基本部品を紹介します。
2. 部品①:目的(何をしたいの?)
NGプロンプト:「この文章、ちょっと変えて」
→ 何のために?誰のために?が不明確で、表面的な修正しかされません。
改善例:「この文章を、小学生向けの教材として読みやすく書き換えてください」
ポイント:“誰に何をしたいか”を添えるだけで、文章全体の質が変わります。
3. 部品②:形式(どう出してほしいの?)
NGプロンプト:「AIについて教えて」
→ AIは無難で長めの説明文を返しがち。
改善例:「小学生にもわかるように、“AIって何?”を3行の箇条書きで説明して」
他の形式指定の例:
- ブログ風に書いて
- 表にまとめてください
- 3つのポイントで整理して
- プレゼン用の箇条書きで
- 200文字以内で
- ですます調で
- 命令形で端的に
ポイント:形式を明確にするだけで、“読みやすくて的確な答え”に近づきます。
4. 部品③:視点・役割(誰として答えるの?)
NGプロンプト:「このデータを分析して」
→ どんな立場で分析するのか不明なため、浅い回答になりやすい。
改善例:「あなたはデータサイエンティストです。このデータを企業向けレポートとして分析してください」
他の視点設定の例:
- 教育委員会の担当者として、保護者に説明してください
- プロの編集者として、文章を添削してください
- 高校の歴史教師として、生徒に話すように説明してください
- マーケティングの専門家として、この商品を売り込んでください
ポイント:視点を伝えるだけで、語彙・トーン・構成が一気に変わります。
5. 実践:3部品の有無でここまで変わる!
● 部品なし:
「この文章、要約して」
→ AI:「〜であることがわかる。」← 抽象的で誰向けでもない
● 部品あり:
「この文章を、小学生にもわかるように、3行以内のやさしい言葉で要約してください」
→ AI:
・AIは人間のように考えるコンピュータです。
・質問に答えたり、お話したりできます。
・使い方を工夫すると、とても便利です。
6. KITTの補足:この3部品、テンプレにすると便利!
あなたは〇〇な立場の専門家です。
以下の内容をもとに、△△の形式で□□してください。
(目的・形式・視点がすべて入る!)