第1章-4|最低限覚えておくべきプロンプトの“3つの部品”

副題:そのプロンプト、材料足りてますか?──目的・形式・視点でAIは変わる

1. なぜ「うまく伝えたつもり」が通じないのか?

「思ってた回答と違う…」「AIって使えない?」──そう感じたことはありませんか?

実は、プロンプトの“言い方”以前に、必要な部品が足りていないことが原因かもしれません。

この章では、AIに的確な回答を引き出すための3つの基本部品を紹介します。

2. 部品①:目的(何をしたいの?)

NGプロンプト:「この文章、ちょっと変えて」

→ 何のために?誰のために?が不明確で、表面的な修正しかされません。

改善例:「この文章を、小学生向けの教材として読みやすく書き換えてください」

ポイント:“誰に何をしたいか”を添えるだけで、文章全体の質が変わります。

3. 部品②:形式(どう出してほしいの?)

NGプロンプト:「AIについて教えて」

→ AIは無難で長めの説明文を返しがち。

改善例:「小学生にもわかるように、“AIって何?”を3行の箇条書きで説明して」

他の形式指定の例:

  • ブログ風に書いて
  • 表にまとめてください
  • 3つのポイントで整理して
  • プレゼン用の箇条書きで
  • 200文字以内で
  • ですます調で
  • 命令形で端的に

ポイント:形式を明確にするだけで、“読みやすくて的確な答え”に近づきます。

4. 部品③:視点・役割(誰として答えるの?)

NGプロンプト:「このデータを分析して」

→ どんな立場で分析するのか不明なため、浅い回答になりやすい。

改善例:「あなたはデータサイエンティストです。このデータを企業向けレポートとして分析してください」

他の視点設定の例:

  • 教育委員会の担当者として、保護者に説明してください
  • プロの編集者として、文章を添削してください
  • 高校の歴史教師として、生徒に話すように説明してください
  • マーケティングの専門家として、この商品を売り込んでください

ポイント:視点を伝えるだけで、語彙・トーン・構成が一気に変わります。

5. 実践:3部品の有無でここまで変わる!

● 部品なし:

「この文章、要約して」

→ AI:「〜であることがわかる。」← 抽象的で誰向けでもない

● 部品あり:

「この文章を、小学生にもわかるように、3行以内のやさしい言葉で要約してください」

→ AI:
・AIは人間のように考えるコンピュータです。
・質問に答えたり、お話したりできます。
・使い方を工夫すると、とても便利です。

6. KITTの補足:この3部品、テンプレにすると便利!

📦 基本テンプレート:

あなたは〇〇な立場の専門家です。
以下の内容をもとに、△△の形式で□□してください。

(目的・形式・視点がすべて入る!)

7. まとめ

  • プロンプトのズレは“部品不足”で起こる
  • 最低限押さえるのは「目的・形式・視点」
  • この3点を入れるだけで、AIとの会話は格段にスムーズになる

“言い方”ではなく、“設計”がプロンプトの本質です。