教職員向け:授業・校務にAIをどう活かすか?

「AIの使用は禁止」──その対応は、子どもたちの未来に本当に寄り添っているだろうか?

1. 教育現場におけるAIリテラシーの必要性

教育の現場では、AIの急速な発展とともに「使ってよいのか」「どう教えるべきか」といった議論が起こっています。禁止という判断は一見安全に見えますが、社会全体がAIを活用する流れの中で、教育現場だけが背を向けていては、子どもたちに“未来の力”を育む機会を奪うことになりかねません。

教師自身がまずAIを理解し、使い方を体験したうえで「どこまでを許容し、どこからがリスクか」を判断できるようになること。それが、これからの教育現場に求められるリテラシーです。

2. なぜ今、AIを理解すべきなのか?

社会ではすでに、ビジネスや医療、行政などあらゆる分野でAIが活用されています。教育現場においても、校務効率化や教材開発、個別学習支援など、多くの場面で導入の可能性が広がっています。特に、子どもたちが自発的にAIツールを使い始めている今、「知らない」「触れない」では教育の信頼性が問われます。

教職員自身がAIとの関わり方を理解することで、適切なルール作りや、活用の範囲の見極めが可能になります。

3. 実践的な活用例

  • 授業準備:単元ごとの目標に沿った指導案のたたき台をAIに作らせ、時短&アイデア出し。
  • 教材づくり:小テスト・確認問題・図解の作成などをサポートさせる。
  • 校務支援:保護者への案内文作成、行事計画案、報告書草稿などを素早く整える。
  • 個別支援:発達段階に応じた説明文の書き分け、理解度に応じた追加問題の生成など。

4. 注意すべきリスクと対処

AIの活用には、以下のようなリスクも伴います。

  • 誤情報:生成AIは事実でない情報を「もっともらしく」出すことがあります。常に裏取りが必要です。
  • 著作権・個人情報:生徒の個人情報を含んだデータをそのままAIに入力しない運用ルールを徹底しましょう。
  • 依存リスク:教職員がAIに頼りすぎると、教育の本質である「人との関わり」が希薄になる懸念もあります。

こうしたリスクを回避するには、「何をAIに任せ、何を人が担うのか」という明確な線引きと、学校内での共通理解が不可欠です。

5. まとめ:教師がAIと向き合うことが、最大のリテラシー教育

教職員自身がAIを学び、使いながら考える姿を見せることこそが、子どもたちにとっての最高のリテラシー教育になります。「禁止」ではなく、「どう活用するか」。この問いに学校全体で向き合い、子どもたちと共に学んでいく姿勢が、次の教育の形をつくります。

いま必要なのは、“避ける力”ではなく、“使いこなす力”。そしてその第一歩は、教師自身がAIに触れてみることなのです。

🔚 投稿準備について


👉 教育現場でのAI活用も気になる方はこちら

15年計画で育てる“AI世代”の記事へ

AI世代を育てる実践プラン

・先生、ChatGPTで読書感想文ができました問題

例えば、総務省の「AI白書」や文科省の「教育AIガイドライン」なども参考になります。
AI白書(総務省
・文部科学省「教育データ利活用の在り方」
https://www.mext.go.jp/content/20220520-mxt_syoto01-000020388_1.pdf